NO常識LIFE

“常識”を疑いながら生きる人間のブログ

【概要&レビュー】持ち家 vs 賃貸(第1章)


どうも、鉄人です。

おもしろい本読んでるので、頭の整理のために概要をまとめます。
第一章だけ。笑
(頭の整理のために読んではアウトプットという流れでやっています。)



『マイホーム価値革命 2022年、「不動産」の常識が変わる』を読んでますが、おもしろいですねー。

ちなみに僕はマイホームいらない派です^ ^

概要

第一章では、マイホームは資産だという誤った認識が世に広まっている背景、その認識がすでに過去のものになっている点を紐解いている。

結論、「郊外の戸建ては不動産ならぬ“負”動産になる。」ということがメッセージとして書かれており、賃貸不動産業界が2022年を境に大きく変わる可能性を秘めている点とその理由について述べられている。

不動産の現状

  • 近年空き家が増加。
  • 景観、治安、防災などに配慮し、空き家を強制的に撤去できる仕組みが出来ている
  • しかし撤去費用を家主から回収できないケースが頻発し、財政の厳しい自治体では執行されていない

なぜ郊外の物件が“負”動産になるのか?

  • 背景には家族構成の変化が大きく関わっている。(昔:専業主婦が主流の時代→現代:夫婦共働きの時代へ。)
  • 専業主婦が主流の時代→子供を広い家でのびのび育てたいと考える世帯が多かった。
  • 共働きが主流の時代→自宅、職場、保育園を繋ぐ三角形をなるべく小さくしたいと考える世帯が増加
  • 田舎や故郷に対する認識も団塊世代の感覚とは変わってきている。現代の人は、「同世代の多くが地元を離れ都心に出ており、将来地元(=親の持家)に帰っても誰もいない」と考える人が増加。
  • 結果、郊外から人が減少、都心部の人口が増加。
  • 郊外の家に需要が無いため、 “売れず”、“貸せず”の状況が想定される。さらに維持費や税金がかかる。解体するにもお金がかかる、解体しても更地のまま持つ方が税金が高くなる。→年間100万円を食いつぶす“負”動産として残る
  • 親から郊外のマイホームを受け継ぐ子供世代は、それら“負”動産の扱いに困る。(特に駅からバスに乗って移動する通称“駅バス物件”は最悪)

そもそも“不動産の役割”の誤った認識が浸透している

  • 戸建てを持つことを「家は資産だ!」「投資だ!」という考えの危険性が述べられている
  • 投資効果を求めた不動産所持、住居環境という効用を求めた不動産所持、これらは根本的に異なる。
  • 居住用として購入した物件→購入から売却までのスパンが長い(20年~30年間)、投資と見なすにはあまりに無理がある。
  • 住むことを目的に選んでいる=物件の選び方が投資目線と異なる。(投資目的なら都心部の好アクセス物件を選択。)
  • 投資目的であれば、手ごろな賃料設定が可能なマンションを選択する(広大な敷地を要する戸建てを選択することはない。)
  • 「住みやすさ」「環境の良さ」を求めて郊外の物件を求めていた過去の価値観で買った家は、今では需要が少ない。=売り手、借り手がつかない(住むことを目的に購入した家があわよくば利益を生む時代はとっくに過ぎている。)
  • 二世帯住宅は、受け継いでも使い勝手が悪く、目も当てられない。

過去に購入したマンションが抱える課題

  • マンションの住民の性質が変わり始めている。
  • 昔→適度な年齢で売却、郊外へ引っ越し。
  • 現代→引っ越さずに残る人が増。
  • 管理組合の高齢化が進んでいる。(=管理組合が機能しないケースが増)
  • 住民が高齢化しているマンションになるほど管理費、修繕積立金の滞納が増えているというデータがある。
  • 都内の分譲マンションの22%は旧基準で建設→大規模改修や建て替えの対象となる。
  • マンションは良くも悪くも隣人との関わりを持たずに住める。そのため隣の部屋が空き家なのかどうか、住人が生きているのかどうかすらわかりにくい。
  • 引き継いだマンションを放置する子供世代が増えている→人が住まないので老朽化の加速。

供給戸数が増え続けている理由は?

  • 人口減、空き家増の時代に貸家が増加している。(年間90万戸の着工)
  • 背景には相続税の基礎控除額の減少(40%カット)
  • 減額前:相続財産は5000万円+(1000万円×法定相続人)まで非課税
  • 減額後:相続財産は3000万円+(600万円×法定相続人)まで非課税
  • 相続税対策でアパートが乱立している。
  • 更地の状態で土地を相続するより、アパートを建てる方が相続税が安いくなる。(更地での相続は宅地として評価→アパートを建てることで貸家建付地として評価)
  • 貸家建付地の評価は【(宅地としての評価額)×(1‐借地権割合×借家権割合)】で算出。→アパートを建てることで本来の評価額より安い額での相続が可能。
  • 「相続税もかからず、子供に賃貸アパートが残れば継続的な収入にもなるだろう」という想いからアパートの乱立が発生。
  • 長く続く低金利→ローンを組みやすくなった→運用を選択する人の増加
  • つまり着工数の増加は実需ではなく、アパート乱立による供給側の思惑によって増えている数字であると言える。

賃貸物件にワンルームが多い理由

  • 平米あたりの家賃が高い=収益性が高い、投資効果が高い
  • ワンルームはファミリータイプに比べて人の入れ替わりの頻度が高い。(=管理会社が手数料を取る機会が増える。)
  • しかしこれらは“あくまで需要があっての話”であることを買う側、建てる側は忘れている。需要の無いところにアパートを建設しても意味がない。(=不動産は場所が非常に重要)

ファミリー世帯は家を買うしかない?

  • 賃貸として供給される物件→1Kが主流=ファミリー世帯で住む家に適切な広さの物件が少ない
  • 家を購入する選択しかないと考えるファミリーが一定数いる
  • 都心部のマンションは価格が高く、共働き世代の購買力がある世帯がメイン。→賃貸に手頃な物件が無く、やむを得ずマイホームを購入した(購入できたのが購買力のある共働き世帯だった)という解釈もできる。

都心部のマンションの現状

  • 都心部のマンションの価格は上昇。
  • 昨今の価格上昇は、実需によるものではなくオリンピックパラリンピックに向けての建設需要の盛り上がりの影響で建設費が高騰した結果→つまり、需要と供給のバランスがあっていない。
  • 中古物件も新築の後追いの形で上昇を続けている。(成約金額も高騰している)=都心部に住むのは購買力が必要

生産緑地法から予測する不動産市場の今後

▼生産緑地法の概要

  • 制定当初→指定された区域の農地に宅地並みの税率で課税
  • 納める税金が高額になっても農業を続ける人がいた
  • 農業を継続する人たちへの配慮として1991年に改正、1992年から生産緑地制度が導入
  • 改正後→一定の要件を満たした農地は、30年間は税率の安い農地として扱われ、相続税は猶予される。(要するに税制優遇される)
  • これらの税制優遇を受けているのは都心部(東京、名古屋、大阪など)の農地

▼2022年以降不動産市場は大きく変わる

  • 30年間の税制優遇が終わる農地が出てくるのが2022年から。
  • 農地は基本的に自治体が買い取ることになるが、全てを買い取ることは財政的に不可能。
  • 農地については30年間の間ですでに子供世代に引き渡している可能性がある。(=メインで使っていた人が引退)
  • これまで税率が安かった土地が、急に宅地並みの税率に変わるため、オーナーは売り急ぐことが予測される。
  • 結果、2022年以降、生産緑地が大量に不動産市場に登場する→大量の農地が宅地となり、地価が安くなる
  • 2022年ごろからは団塊世代が75歳を超え後期高齢者の仲間入り。→彼らが持つファミリー向けの戸建てやマンションが賃貸物件として不動産市場に出回る可能性が高い
  • ファミリー向けの賃貸物件の選択肢が増えていく。

感想

第一章を読んで感じたことですが、恐らく居住目的で家を買うタイミングは今じゃないよってことだと思います。(今後ファミリー向けの賃貸の選択肢が増えてくるから)

個人的に持家は必要ないと考えているのですが、その考えがより一層強まりました。

序盤の方では郊外の家を相続で受け継いでも良いことがないという書かれ方をしている。
後半では、2022年以降は生産緑地が宅地として市場に登場するため郊外のファミリータイプの物件も増えるという書かれ方をしている。

やや矛盾を感じるところではあるが、生産緑地法によって2022年以降、土地が大量に出回り地価が下がる分、新たに安価な賃貸住宅が供給されるという予測なのでしょうか。

はたまた、相続で郊外の物件を得るのは無し、賃貸で住むとなると安価で住めるのでまぁありってことなのでしょうか。

いずれにしても、家族向けの賃貸物件の選択肢が増える可能性が高そうです。
そうなるの、家を買うタイミングは今じゃないような気がします。建設費の高沸が物件価格の高沸に直結しているのであればなおさら。

2022年だとオリンピック、パラリンピックが終了しているので建設価格も今より落ち着きを見せているでしょうし、安い土地が出回るということであればどうしても持家が欲しい人は今よりそっちの方がタイミング的には良さそうな気はしますね。
(※2022年以降の購入を勧めているわけではないです。)

さて、第2章に進みます!
この本とても読みやすいし面白い。


ほなほな

www.ironk-sk.info