こんにちは、FPの鉄人です。
早速ですが、今日は怪我や病気で会社に行けなくなった時にもらえるお金の話です。
会社勤めの人は必見です!
※自営業の人はもらえないお金です。
今回お伝えしたいのが、健康保険から支給される傷病手当金です。
※健康保険≒会社員、国民健康保険≒自営業
先日の高額療養費もそうですが、これまたなかなか手厚いぞ。
制度を知らないとどうなる?
もしいたら教えて欲しいんですが、自分の身に、病気や怪我が降りかかってくるタイミングがわかる人はいますか?
絶対にいませんね。笑
いたら体調不良のドタキャンが発生するはずないです。笑
また、“万が一”が起こるタイミングがわからないから、保険というビジネスが成り立つわけです。
そして、“万が一”を自分ごとだと受け止めた人が保険に入る。
たくさんの保険に加入していれば、万が一への備えは確かに安心です。
保険はお金がかかるため、限られた支出の枠の中で泳がないといけない。
ゆえに、社会保険でもらえるお金を把握していない人は、必要のない保険に加入し安い。
会社員の人は間違いなく知っておいた方が良いです。
知らず知らず、この先何十年も保険を払い続けると、大きな額を無駄にしてしまう可能性があります。
傷病手当金とは?
一言でまとめると
「仕事を休んでお給料が出なくても、お金がもらえるよ!」
という制度です。
健康保険のHPでは以下のように謳われています。
傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。<引用元:全国健康保険協会HP>
「被保険者が病気や怪我のために会社を休み」と記載されている通りで、扶養家族が病気や怪我になっても傷病手当金は支給されません。
受給条件
手当を受け取るには、4つの条件を満たす必要があります。
- 健康保険に加入している
- 業務外の理由により、仕事ができない状態となり会社を休む
- 待機期間(無給休暇)が連続3日以上続く
- 休んだ期間の給与の支払いがない
▼条件①:健康保険に加入している
会社にお勤めの方は基本的に入っているので対象となります。
※自営業の人は国民健康保険になるので対象となりません。
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▼条件②:業務外の理由により仕事ができたい状態となり会社を休む
ポイントは“業務外の理由により”ってところです。
※業務上の怪我や業務に起因する病気の場合は労災保険の対象となります。
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▼条件③:連続3日の待機期間がある
Q:連続3日の待機期間とは?
A:有給や公休(土日祝)を問わずに3日連続の休業が該当します。
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▼条件④:休んだ期間は給与の支払いがない
3日間の待機日以降の休業で、無給の休暇が傷病手当金の対象となります。
=休業4日目以降で無給休業の日は支給
つまり、有給休暇を取得して休んでいるうちは傷病手当金の支給の対象とはなりません。
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受給額
だいたいお給料の2/3程度と認識してもらえればOKです。
厳密には、支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額を30日で割って算出した日額に2/3をかけた額が日額になります。って書いてもややこしいので今は忘れてください。笑
健保のHPでは以下のように記載されています。
<引用元:全国健康保険協会HP>
ここでケーススタディ!
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こんなときもらえるお金はいくらなのでしょうか。
▼支給対象日数
120日 ‐ 3日(待機日) = 117日
▼支給額
(日額)30万円 ÷ 30日 × 2/3 ≒6,600円
(支給)6,600 × 117日 ≒ 78万円
上記の例で行くと、120日でトータル約78万円を受給できることになります。
支給期間
最初の支給から1年半の間、傷病手当金を受け取ることができます。
その他覚えておくと良いこと
その1:健康保険の加入期間による支給条件
健康保険組合の加入が1年以上の人は、支給期間中に退職しても継続して支給されます。
※1年未満の場合は、支給期間中に退職すると受け取れなくなります。
その2:扶養配偶者や扶養家族でももらえるの?
前述の通り、もらえません。
手当の支給を受けられるのは、あくまで保険料を納めている本人のみ。
その3:ウツは対象になるの?
なるみたいです。(厳密にいうと、明確な基準がないため対象となる。)
ウツの原因が仕事だというケースは決して少なくないと思います。
しかし、仕事が原因であることを証明することは極めて困難です。
お医者さんはあくまでウツであると診断するのみで、その原因にまで言及しません。
よって、ウツの場合は労災認定をするよりも傷病手当金の対象とする方が現実的なようです。
(仕事以外が原因のウツについても同様です。)
余談ですが、厚生労働省の調査によると、うつ病の患者数は1996年には43.3万人、1999年には44.1万人とほぼ横ばいでしたが、2002年には71.1万人、2005年には92.4万人、2008年には104.1万人と増加傾向だと言われています。
人間そのものが弱くなってきているのか、過酷な社会環境がそうさせるのかはわかりませんが、どんな人でも明日は我が身ですね。
その4:傷病手当金受給中も社会保険料は支払う?
休業中も、社会保険料の負担は発生します。
これが産休手当(健康保険)や育休手当(雇用保険)の場合は負担なしにできます。
つまりこれからママさんになる人は、会社辞めないで育休取得にした方が支出が減ります。
会社員の方は非常に手厚い保障を持っています。
知っていると知らないとでは、保険を選ぶときの判断が変わってくると思います^^
しつこいですが自営業の人は傷病手当金が適用されないので保険で補っておくことをオススメします。
ほなほな